【小説】エロス/広瀬正
エロス―もう一つの過去 広瀬正・小説全集〈3〉 (集英社文庫)
- 作者: 広瀬正
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/09/01
- メディア: 文庫
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【小説】プラネタリウムの外側/早瀬耕
将来様々なものに組み込まれるであろうAI。人間の暮らしを豊かなものにするとされているが、未だにぴんときていない。
ブルーレイまで購入したブレードランナー2049では主人公Kの欲求に応えて服装を変えたり、励ましてくれるJOYと呼ばれるAIが登場する。KとJOYは互いに愛し合っている。それはプログラムとしてなのか、心が生じたものなのか答えのない問いではあるが
話はそれてしまったが、未必のマクベスの著者である早瀬耕さんの「プラネタリウムの外側」では近くて遠いAIについての連作集である。
自分をトレースさせたAI。
合わせ鏡にうつるあるものを見てしまった学生。
彼氏の死の間際を再現させようとする女学生。
愛してたことさえ忘れてしまう記録の忘却。などなど。
心や恋愛、青春といったストーリーラインに気持ちいいバランスでAIに対する、テクノロジー技術に対する警告や示唆が組み込まれている。単なる技術寄りのSFだけでは門戸が狭いが、青春恋愛ものでもあるので多くの人に読まれてほしい。(実際AIの技術に対して知識のない私でもすんなり読むことができた)
ごく現実に近いSFであって、少し先の未来では「プラネタリウムの外側」はSF扱いされないかもしれない。それ程までに現実的。
そして怖い。果たしてここで描かれていることが、そしてこの現実はプラネタリウムの内側なのか、外側なのか、つい考えてしまう。
【小説】離陸/絲山秋子
移動と離陸。
生きている限り何かを得て、何かを失う。等価交換ではなく一方的に奪われる事もあれば得る事もある。年数を重ねていけば子は育ち、自分の身丈を超え、やがて働き始める。
長く生きていれば人の死に直面する事もあれば、二度と会わない人もいる。生きている場所、付き合う人が異なれば、かつて良く遊んだ友人や知人の事を忘れてしまう。(考える時間がない)
離陸/絲山秋子 を読んだ。
失踪したかつての恋人の影を追う佐藤。
生きることは不条理の連続であり、出会いと別れは対になってやってくる。誰もが解答のないまま移動を続け、そしていつしか彼らの言う離陸が待っている。
生きることがこの小説には詰まっている。
離陸 (文春文庫) https://www.amazon.co.jp/dp/416790828X/ref=cm_sw_r_cp_api_l6IYzbWW6EA9K