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読書感想など

フィリップ・K・ディック短編集など

その日は映画を見るために新宿バルト9へと向かった。 あまり行った事がない映画館だったのでチケット売り場が長蛇になっている事に驚いた。いつも行っている映画館は昼でもそこまで並ぶ事がない。地域差なのか、作品数の差なのか、単純に売り場が狭くてチケ…

ARMSでダークサイドに堕ちないために行った事

Nintendo Switch専用ソフトARMSが発売されてそろそろ一ヶ月経とうとしている。 運よくスイッチ本体を購入することが出来たのでアームズを予約したが、一つだけ危惧する事があった。 それは数年前に遡る。当時の私はPS3ソフト「ストリートファイターIV」にて…

大怪獣記/北野勇作

商店街を歩けば、お惣菜屋さんや豆腐屋さん、金物屋さん、八百屋さん、魚屋さんなどがずらっと並んでいる。 漠然とした商店街のイメージがそれだ。私の田舎には商店街というものがない。あるにはあるが、ないに等しいシャッター街だ。個人店が一箇所に集まっ…

猫の文学館I: 世界は今、猫のものになる

犬派と猫派ではどちら、という質問に対しては「どちらも」としか回答のしようがない。優柔不断とかそういった事ではなく、子どもの頃に両者ともに生活をしていたからだ。(飼っていた、という言い方にどこか引っかかるので、生活していたなどと言ってみる)…

【小説】世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド/村上春樹

2016/1/1読了 年が開ける前の30、31、そして1/1で読み終えた。 忘れているシーンが多く何度も読んでいるにもかかわらず新鮮な気持ちで読んでいた。そして読み直している時に気がついたことがあった。2つのパートは並行して進んでいると思っていたが、「ハー…

【映画】君の名は。

夜の回だったので人も少なく、落ち着いて見ることができた。 なぜここまで観ることを引き延ばしてしまったのか、それは主人公の「瀧」と「三葉」が入れ替わることで互いに恥をかいてしまうシーンがあるのではという不安があったからだ。どうも自分はああいっ…

【映画】ありがとうスーサイド・スクワッド

1年ほど前だろうか、あの衝撃的な新ジョーカーのビジュアルが突如としてネットに流れたのは。 The Suicide Squad wishes you a Happy Anniversary Mr. J! #Joker75 #SuicideSquad @WarnerBrosEnt @DCComics pic.twitter.com/LZXz0x947Q — David Ayer (@David…

【読書】積み本消化計画2016

友人からもらった本や購入した本を毎月消化できるわけもなく、日々積まれていく本達。 本好きにしてみればむしろステータスなのかもしれないが、圧迫される収納、そしてそのしわ寄せを受ける衣服達。しまいには収納から溢れてタワーを形成していく。 という…

上半期のベスト本

今週のお題「2016上半期」 タイトル通り上半期に読んで面白かった本のまとめになります。新刊と既刊で上半期だけで67冊読むことができました。目標にしているわけではないですが100冊は超えそうです。 面白そうな新刊はTwitterなど情報を集めてみるのですが…

ドラック博物館へようこそ『アマニタ・パンセリナ』/中島らも

本書は決して薬物のススメではなく実際の体験(!)を交えた反薬物のススメ隣っている。 数々の薬物・合法ドラッグを疑似体験しているかのような感覚に陥り、そして著者が現在進行形で中毒になっている(本書が出版された当時)薬物など未体験ゾーンが広が…

階級付けされた世界で"偶然"起きる逆転劇『偶然世界』/フィリック・K・ディック

偶然誰かと出会う、偶然探していたものが見つかるなど日常生活において偶然という現象は奇跡よりも多く発生し、奇跡以上に幸福もしくは不幸を呼び起こす。 フィリップ・K・ディックの長編第一昨の本作ではその偶然によって生活が一変し、それに翻弄される人…

広大な森に潜む闇を深く濃い「ドライ・ボーンズ」

アメリカ探偵作家クラブ最優秀新人賞受賞作品が先日ハヤカワ文庫から出版されました。 全く初めての方でしたが最優秀新人賞ということで購入してみました。 ドライ・ボーンズ (ハヤカワ・ミステリ文庫) 作者: トムボウマン,熊井ひろ美 出版社/メーカー: 早…

煮え切らない卵の新たな戦い『マルドゥック・アノニマス』

冲方丁さんのマルドゥックシリーズの最新刊。 これまで発売されたマルドゥックシリーズを読んでいないと理解ができない敷居の高い作品ではなく、最新刊で知りましたという人でも手に取ってもらいたい。本書が面白かった、という人はその後で過去シリーズを…

人類にとって個性とは必要なものなのか『クロニスタ 戦争人類学者』/ 柴田勝家

▼そもそもの始まり 第二回ハヤカワSFコンテスト受賞後の第1作となる本作は大きなスタートを切った勢いをそのままに予想を超える面白さがあった。 きっかけとしては『伊藤計劃トリビュート』の1作として本書の一章が掲載された事にある。率直な感想として『ニ…

生命賛歌に満ちた近未来の日本『あるいは修羅の十億年』/古川日出男

古川日出男さんの新刊は『想像ラジオ』『ムーンナイト・ダイバー』『バカラ』などの作品と同じように震災をテーマにした小説『あるいは修羅の十億年』です。 2026年の近未来日本を舞台に “島”と呼ばれる土地と東京、フランスと複数の人間の視点から語られる…

ビッグブラザー豚さん説『動物農場』/ジョージ・オーウェル

ジョージ・オーウェルの『1984』は人間を支配する方法とそれに悩む主人公の心境がリアルスティックに描いたディストピア小説としてメディアで紹介され、引用されることが多い作品です。 私も読んだことがあったのですが、他作品を知りませんでした。作品が…

歩みは遅いが、確実に進む日常。『かめくん』/北野勇作

北野勇作さんの『かめくん』を読みました。 きっかけは北野勇作さんがtwitter上で行っている【ほぼ百字小説】を目にしたことです。 140文字内に収められた描写にSF的な想像力を掻き立てられ、余韻を残します。 https://twitter.com/yuusakukitano http://tog…

クエンティタランティーノ監督映画『ヘイトフル・エイト』を見てきました。

クエンティタランティーノ監督の最新作『ヘイトフル・エイト』(原文:the hateful eight) 監督の名前にピンと来なくても20代〜30代にかけての世代は『キルビル』で知っている人が多いでしょう。ツッコミどころ満載でバカバカしくもありますが、あのアクショ…

夢の不条理感に脳みそがジンジンする。『パプリカ』/筒井康隆

筒井康隆さんの代表とされる作品『時をかける少女』は細田守監督によってアニメ映画されたことで若い世代にも広く知れ渡り知名度が高く、また最近では『旅のラゴス』が書店でプッシュされている。それにつられてかその他の作品も平置きされるようになり、『…

君は過去を遡れたらヒトラーを殺すかい?『デッド・ゾーン』/スティーブン・キング

事故により5年近く昏睡状態のまま意識を失っていた教師ジョン・スミス。 5年間の眠りがジョニーにもたらしたものは、年をとった両親、母になったかつての恋人セーラ、莫大な入院費用。そして運命とも呪いとも言える能力が彼に備わっていた。 ▼5年間のブラン…

ジャケ買いしてもいいんだよ『私は存在が空気』/中田永一

「百瀬、こっちを向いて」や「くちびるに歌を」の中田永一とカバーイラストを浅野いにおが手がけた超能力+青春短編集。 短編によって能力もキャラクターも変わり、話同士の連続性はないものの単体としてどれも面白みがある。恋愛、暴力、犯罪、コミカル、ハ…

静かに心に染み込んでくる物語『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』

アカ、アオ、クロ、シロ。それぞれの名前に色を持つ四人と本作の主人公「多崎つくる」の5人は高校時代の親友グループだった。しかしある日を境に多崎つくる四人から縁を切られてしまう。そして月日は過ぎ去り、30を半ばに差し掛かった多崎つくるは「沙羅」と…

2015年読んでみて面白かった本Best3/サイトアクセス数Best3

2015年3月から本ブログを始めました。以前から本は読んでいましたが、ブログ開設も相まって以前よりも本を読む機会が増えました。 どのようにすれば読まれるのか?を考えながら客観的に構成する面白さもあれば、思うがままに書くこともに面白さがあります。…

あなたは世界が終わるまでの七日間で何をする?『世界の終わりの七日間』/ベン H ウィンタース

終わっていく世界 10月3日水曜日、地球に小惑星2011GV通称”マイヤ”が衝突をする。それによって予想される未来は恐竜が歩んだ歴史と同じだ。それを知った人々はSNSでイイねやシェアをしていた。だがそれが現実のものになってくると、長年温めていた「やりた…

本屋のあり方ってなんだろう?『まちの本屋』/田口幹人

岩手県に書店を構えている、あわや書店フェザン店の店長である田口幹人さんが自分の半生を注いだ書店員としての経験と街の本屋あり方を語る。 hon.bunshun.jp 本屋のリアル 本が並べば売れる時代から売れない時代に変化してしまった。 20代の頃ならばまだい…

『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』/村上春樹

1997年〜2011年にかけての村上春樹自身や作品についてインタビューを行ったテキストをまとめた一冊。あまりメディアに出ないことで有名な村上春樹だが、さすがに14年間のまとめとなると500ページを超える。 インタビュアーは複数人に及び、国も性別も違いイ…

変貌する獣は何を思うか『犬の心臓』/ミハイル・ブルガーコフ

ミハイル・ブルガーコフの『犬の心臓』が新潮文庫から発売されました。(正確には「運命の卵」も収録)ホードカバー版とは翻訳者が変わってしまったのでもしかしたらニュアンスが違うかもしれませんが「笑い」と「恐ろしさ」が入り混じった作品でした。 ロ…

誰かのために席を空けている『国境の南、太陽の西』/村上春樹

”いちばんの問題は僕には何かが欠けているということなんだ。失われてしまっているんだよ。そしてその部分はいつも飢えて、乾いているんだ。その部分を埋める事は今日にはできないし、子供達にもできない。それをできるのはこの世界に君一人しかいないんだ。…

危険な本『村上春樹を読みつくす』/小山鉄朗

長年、村上春樹をインタビューしてきた著者が物語をを解体していく本書。 著者と村上春樹との個人的なやりとりや、当時のインタビューなど貴重なエピソードなどから 作品に含まれるメッセージやメタファー、元になったであろう古典作品や神話を挙げて、作品…

映画『椿三十郎』比較しながら見てみた

以前借りた『用心棒』がとても面白かったので続編にあたる『椿三十郎』を借りてきました。 対比に次ぐ、対比 若い浪士達が汚職を行っている事を直談判しようとするが、罠に引っかかってしまう。 そこに偶然居合わせた三十郎が見兼ねて協力をする。。というの…

映画『用心棒』総合映画としての時代劇

用心棒/主演:三船敏郎 監督:黒澤明名作と呼ばれる映画がどうも苦手意識があり、きっけかがない限り手を取らないのですが少し前から古い日本映画を立て続けに見た勢いで黒澤映画の『用心棒』に手を出しました。 ジャンル 時代劇のイメージといえば、適役が…

ラジオ録音始めました

Podcastをきっかけにラジオを聴くのが面白くなりまじめました。 主に深夜番組を聞いていたのですが、終わるのが深夜の3時になるとさすがに次の日(というか数時間後)の起床に影響が出てしまうため『ラジ録』というソフトの試用版を利用して録音をしてました…

12月/kindleセールにて購入

kindleで早川書房セールにて神林長平さんの戦闘妖精シリーズを3冊とも購入しました。 12月は今年読んだ中で良かった本を読み返そうと思っていたが、kindleの早川セールでついつい買ってしまった。— えむぜっとえすじー (@MzSg) 2015, 12月 1 『完璧な涙』は…

肉を掘り下げて世界を知る『世界屠畜紀行』/内澤 旬子

牛、羊、山羊、犬と世界中で食べられている肉はどのように作られているのか?「そりゃ殺してバラして加工しているだけだと」と言葉で言うだけなら簡単だ。だが現実は国によって文化や宗教、肉を食べることに対しての受け答え方も違う。また屠畜を職業として…

正真正銘のラブストーリー『1Q84』/村上春樹

まず読み終わってから思ったのはこれは正真正銘のラブストーリーということだ。男と女が長い長い遠回りをして出会うラブストーリーなのだ。 青豆と大吾。性別も性格、考えから、職業も違う両者を主人公としてストーリー展開されていく。同じ事象を別の視点で…

再構築される無数の自分『エピローグ』/円城塔

これを人に勧めるのはすごく勇気がいる。 自分の理解が追いつきそうで追い付かない。触れそうで触れられない。果たして登場人物やあらすじをどう書けばいいのかわからなくなるが、理解できる部分を書いていく。 宇宙を舞台に”連続殺人事件”が起きて刑事/探偵…

現実に向き合うために『ヘヴン』/川上未映子

いじめを受ける二人の中学生の男女。彼ら互いを仲間と呼び合い、手紙による交流を深めていく。 根源的な悪とはなんなのか? いじめを題材にした物語では『隣人51号』などいじめた相手に対して復讐を行う、カタルシスの崩壊を描く作品が多いイメージがある。…

最近はまっているアプリ「threes!」

最近iPhoneを買い換えたのをきっかけに色々とアプリを試してた中で「threes!」というゲームにハマってます。 簡単に説明すると3の倍数を組み合わせてどんどん数を増やしていくゲームです。はじめは5分の暇つぶしのはずが止めることができない。とてもシンプ…

羊の問いの答えはあるのか『彼女は一人であるくのか?』/森博嗣

講談社の新文庫「講談社タイガ」からの一冊。 森博嗣さんは現在もアニメで放送されている理系ミステリーのイメージが強かったが、本作のジャンルはSFとなっている。 http://taiga.kodansha.co.jp/author/h-mori.html#link9784062940030 ピュアな遺伝子を手に…

恋愛小説苦手のススメ『海の見える街』/畑野智美

「恋愛小説ってなんか苦手だ」漠然とずっと恋愛ものに苦手意識がありました。 ミステリーの中の恋愛やアクションの中の恋愛など、別のジャンル内に内包されている恋愛劇ならば読む事は出来るのですが、純粋な恋愛小説は読む機会はありませんでした。とくに、…

退屈と刺激が収束する総合小説『罪と罰』/ドフトエフスキー

自身の中の課題図書の一つ『罪と罰』を手をつをつけることにした。 まず読むにあたりどの出版社から出ている『罪と罰』にするか選考しました。現在出版している会社は以下のとおり ・岩波文庫 ・新潮文庫 ・光文社古典新訳文庫 人によっては翻訳者によって選…

何度も読み返したくなる本10選

ツイッターやブログで「#本棚の10冊で自分を表現する」が話題になり、幾つかブログを拝見して読みたいリストに追加した。それからすっかり時期がズレてしまったが「自分ならどの本だろう」と本棚や今まで読んできた本を振り返ってみた。 ただ「自分を表現す…

男たちの興亡史『電気は誰のものか』/田中聡

きっかけ 電灯をつけて、パソコンを立ち上げて、今まさにこの文章を書いている。どちらも電気がないと使うことができない。その電気は東京電力と契約をして毎月使った分だけ支払っている。それは生まれた頃から当たり前のことで何一つ疑問にも思わなかった。…

カラスが囁く物語『海辺のカフカ』/村上春樹

あらすじ 15歳の少年、田村カフカは父の部屋から金のライター・折り畳み式ナイフ・ポケットライト・サングラス・姉と自分の写っている写真を持ち出して家出をした。カラスと呼ばれる少年が話しかけてくる。「世界でいちばんタフな15歳になるんだ」その意味も…

途絶えた望み『絶深海のソラリス』/らきるち

あらすじ 世界中が水害によって沈んだ世界。新しい人間、人種の一種として<水使い>と呼ばれる特殊能力者が生まれる。<水使い>を育成するアカデミーの教官に着任した主人公は幼馴染や元同級生、個性的な生徒と出会い絆を深めていく。 深海×絶望 <水使い…

小説に関わる者に捧げる物語『1000の小説とバックベアード』/佐藤 友哉

あらすじ 4年間勤めた会社をクビになった「片説家」の木原。彼は失意の中、謎めいた女性、配川ゆかりから「私のために小説を書いて欲しい」と頼まれ事になった。奇しくも失踪している配川ゆかりの妹の唯一の手がかりが木原の勤めていた会社が手がけた片説だ…

心臓で語れ!『氷』/ウラジーミル・ソローキン

あらすじ 現代のモスクワで「兄弟団」と呼ばれる団体が存在した。彼らは拉致した人間の胸をハンマー殴打して仲間を探し回っていた。ハンマーの殴打で生き残った人々の心臓は<真の名前>を語り始め「兄弟団」受け入れられる… 冒頭からフルスロットル あらす…

引用されるけど話は知らない…『ライ麦畑でつかまえて』/J.D.サリンジャー

あらすじ 主人公のホールデンは有名高校の生徒で成績不振に陥っている16歳の少年。彼は先生・同級生・何もかもにうんざりしている。成績不良で退学になる直前の冬、自分から学校を出るところから物語は始まる。ニューヨークをさまよいながら昔の先生や友人や…

手軽に簡単に人格を書き換えよう『重力が衰えるとき』/ジョージ・アレック・エフィンジャー

あらすじ 主人公のマリードはブーダイーンを知り尽くした探偵。ある日ロシア人から人探しを頼まれるが、その場でジェームスボンドのモジュールをつけた人物に殺されてしまう。それを機にマリードの友人や関わった人間が次々に殺されて行く。殺されるパターン…

100%恋愛小説『ノルウェイの森』/村上春樹

ノルウェイの森 上 (講談社文庫) 作者: 村上春樹 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2004/09/15 メディア: ペーパーバック 購入: 31人 クリック: 899回 この商品を含むブログ (773件) を見る あらすじ 飛行機がハンブルク空港に着くとビートルズの「ノルウェ…