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読書感想など

好きな本を語れ!!『翼を持つ少女 BISビブリオバトル部』/山本弘

 

翼を持つ少女 BISビブリオバトル部

翼を持つ少女 BISビブリオバトル部

 

 

 

自分の趣味趣向を優先して本を読んでいると違うジャンルの本に手が伸びない。自分の知らないジャンルにも面白い本は必ずあるはずなのにどの本を手にしていいのかわからず、結局自分の好きな作家やジャンルの本を読んでしまう。久しぶりに会った友人などに聞いてみるもののそもそも本を読んでいる人口が少ないためいい答えが返ってこない。こちらが本を勧めようにも元から読んでいない人に読ませることは難しい。

誰かに「この本がとても面白かったよ」と熱く語ってほしい。そう密かに思っていたところ本書を手に取った。

 

あらすじ

SF好きで語らせたら止まらず圧倒的な知識量を持つ少女伏木空(ふしきそら)。それとは正反対にノンフィクションものしか読まない埋火武人(うずひたけと)。伏木空は同級生ながら今まで会話した事のなかった埋火武人にある事がきっかけでビブリオバトル部」に誘われる。最初は入るつもりがなかったが伏木は実際にビブリオバトルそれぞれジャンルの違う本を持ち寄って発表する姿に伏木が引き込まれていき、自分の大好きなSF小説を紹介できるという事で入部を決める事にした。
そして初めてのビブリオバトルSF小説を紹介するが……


ビブリオバトルとは

下記公式サイトより

【公式ルール】
  1. 発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる.

  2. 順番に一人5分間で本を紹介する.

  3. それぞれの発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを2~3分行う.

  4. 全ての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員一票で行い,最多票を集めたものを『チャンプ本』とする.

 

 
本書では伏木と埋火の出会いから始まるので二人の心理描写が中心となっており、同じ境遇を背負わせる事でストーリーに深みをもたせている。SF小説を下に見ている埋火にどうしてもSF小説を読ませたいという気持ちになった伏木がビブリオバトルを通して二人を細く繋いでいる線を手繰り寄せるようなストーリー運びがとても面白かった。
 
ただ単に本を紹介するのみで終わらせるのではなく登場人物に個性をもたせている事でビブリオバトルで紹介する本の選定にもにつながっている。文体も読みやすく紹介されている本を実際に読みたくなるのも魅力的。

普段から読書している方は読了後には好きな本を誰かに薦めたくなります。
また、あとがきで言われている様に読書人口向上を図るためのキッカケとなる小説となっているので、普段本読まない方にもオススメです。
 

続編も出ているのでそちらも読む予定

 

幽霊なんて怖くない BISビブリオバトル部

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