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読書感想など

本屋のあり方ってなんだろう?『まちの本屋』/田口幹人

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岩手県に書店を構えている、あわや書店フェザン店の店長である田口幹人さんが自分の半生を注いだ書店員としての経験と街の本屋あり方を語る。
 
 
本屋のリアル
本が並べば売れる時代から売れない時代に変化してしまった。
20代の頃ならばまだいいが、30代にさしかかった書店員の多くはこれからの未来のことを考え、出版社に転職をしたり全く違う業界に転職してしまうことが多く、それもあきらめた人はそのまま書店員として働き続ける。
 
しかし、田口幹人さん本屋の暗い面だけではなく、「まちの本屋」として地域に根付いた本屋の役割を再考している。
 
 

大型書店に対抗するには

まちの本屋のライバルとして大きな書店やアマゾンや電子書籍の波が来ている。その中でもどうやって対処していくのか。POPを個性的にして目立たせる、個性的なコーナーを作る、ニュースに敏感に反応して関連本を集める。方法はいくつもあるがそこに「お客様の目線に立つ」ということがなければ伝わることがない。
 
”大事なことは、お客さまの視点を絶対に忘れないことです。お客さまにとっての理想を考えるということです。今日欲しい本があって、取り寄せもしっかりしてくれて、欲を言うと、届けてくれる本屋が理想かもしれません。”

 

 
また書店員の意識を「売らされている」から「自分で売る」へ変えることでデータだけに左右されるのではなく、「どうして売れないのだろう?」「どうして売れるのだろう?」と自ら考えることで理由を見つけることで次につなげる。
 
お客様の目線に立つ、売り手側の意識を変える、それによりお客の意識や接する温度も変わっていく。
これは本屋だけに関わらず多くの業種に通じるものであって本屋好きの人が読んでも面白いし、ビジネス書としても多くのエッセンスが込められている。