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読書感想など

【映画】君の名は。

夜の回だったので人も少なく、落ち着いて見ることができた。

なぜここまで観ることを引き延ばしてしまったのか、それは主人公の「瀧」と「三葉」が入れ替わることで互いに恥をかいてしまうシーンがあるのではという不安があったからだ。
どうも自分はああいったシーンがあると自分まで恥ずかしくなってしまい、途端に観たくなくなってしまう。しかし実際見てみると、ボカされていることもあり一安心。

入れ替わることや、その他の大ネタ部分は言ってしまえば設定や考証としてガバガバ。だけど「そんなこと気にすんな!」と言わんばかりの”気持ちよさ”がそこにはある。

あるシーンへとつながるピースがそこらじゅうに散りばめられており、それがどんどん回収されていく。
その気持ちよさ、画面の美麗さ、キャラクターが書き割りではなく血肉を持って行動する生命感に「あっイク!」となり、矛盾などどうでもよくなる。
(逆を言うと見終わった後で色々と気がついてしまう)

これは震災映画の一つで、もしかしたら出会えたかもしれない人々と出会えるのならば…という願いや望みの映画なのかもしれない。

だからなのか劇中ではカップルムービーとしてバリバリ押し出しているわけではなく、感傷的な雰囲気が漂っている。また、個人的に震災映画とカテゴライズしてしまったせいか、あるシーンである人がポツリとつぶやいた言葉で目が痛くなるほど号泣した。

観るのが遅かったがほとんど感想などの情報を入れていなかったので今更知ったのですが、東広紀さんが「オタクの時代は終わったんだなということですね」と発言したんですね。
http://togetter.com/li/1022432

 

カップルムービーとしての一面も確かにありつつ、プラトニックラブを求めるオタク的な面もある。
子供アニメやジブリなど地位を築いているアニメならばまだしも、なぜここまでヒットしているのか? 考えてみるとアニメや萌え系といったものがメディアのおもちゃになった時代から「あの花」や「サマーウォーズ」などの青春アニメが土台となってくれたおかげで、アニメを観ることが一般的になった。
つまりは娯楽としてアニメを消費する世代(10〜20代)が出てきたのが今回のヒットに繋がっているのだろう。

ライトなアニメであればオタクと一般人という境界はすでになくなっている。面白いもの心揺さぶるものを”アニメだから”という理由でフィルターをかけてしまうのはもったいないのでとてもいいことだと思う。

「映画を観に行ったら周りがカップルだらけでキスしていた」とTwitterで見かけたが、これについてはしょうがない!むしろキスしろ、と言いたくなってしまう。