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読書感想など

【小説】離陸/絲山秋子

移動と離陸。

生きている限り何かを得て、何かを失う。等価交換ではなく一方的に奪われる事もあれば得る事もある。年数を重ねていけば子は育ち、自分の身丈を超え、やがて働き始める。
長く生きていれば人の死に直面する事もあれば、二度と会わない人もいる。生きている場所、付き合う人が異なれば、かつて良く遊んだ友人や知人の事を忘れてしまう。(考える時間がない)

 

離陸/絲山秋子 を読んだ。
失踪したかつての恋人の影を追う佐藤。
生きることは不条理の連続であり、出会いと別れは対になってやってくる。誰もが解答のないまま移動を続け、そしていつしか彼らの言う離陸が待っている。
生きることがこの小説には詰まっている。

 

離陸 (文春文庫) https://www.amazon.co.jp/dp/416790828X/ref=cm_sw_r_cp_api_l6IYzbWW6EA9K