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読書感想など

2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

恋愛小説苦手のススメ『海の見える街』/畑野智美

「恋愛小説ってなんか苦手だ」漠然とずっと恋愛ものに苦手意識がありました。 ミステリーの中の恋愛やアクションの中の恋愛など、別のジャンル内に内包されている恋愛劇ならば読む事は出来るのですが、純粋な恋愛小説は読む機会はありませんでした。とくに、…

退屈と刺激が収束する総合小説『罪と罰』/ドフトエフスキー

自身の中の課題図書の一つ『罪と罰』を手をつをつけることにした。 まず読むにあたりどの出版社から出ている『罪と罰』にするか選考しました。現在出版している会社は以下のとおり ・岩波文庫 ・新潮文庫 ・光文社古典新訳文庫 人によっては翻訳者によって選…

何度も読み返したくなる本10選

ツイッターやブログで「#本棚の10冊で自分を表現する」が話題になり、幾つかブログを拝見して読みたいリストに追加した。それからすっかり時期がズレてしまったが「自分ならどの本だろう」と本棚や今まで読んできた本を振り返ってみた。 ただ「自分を表現す…

男たちの興亡史『電気は誰のものか』/田中聡

きっかけ 電灯をつけて、パソコンを立ち上げて、今まさにこの文章を書いている。どちらも電気がないと使うことができない。その電気は東京電力と契約をして毎月使った分だけ支払っている。それは生まれた頃から当たり前のことで何一つ疑問にも思わなかった。…

カラスが囁く物語『海辺のカフカ』/村上春樹

あらすじ 15歳の少年、田村カフカは父の部屋から金のライター・折り畳み式ナイフ・ポケットライト・サングラス・姉と自分の写っている写真を持ち出して家出をした。カラスと呼ばれる少年が話しかけてくる。「世界でいちばんタフな15歳になるんだ」その意味も…

途絶えた望み『絶深海のソラリス』/らきるち

あらすじ 世界中が水害によって沈んだ世界。新しい人間、人種の一種として<水使い>と呼ばれる特殊能力者が生まれる。<水使い>を育成するアカデミーの教官に着任した主人公は幼馴染や元同級生、個性的な生徒と出会い絆を深めていく。 深海×絶望 <水使い…

小説に関わる者に捧げる物語『1000の小説とバックベアード』/佐藤 友哉

あらすじ 4年間勤めた会社をクビになった「片説家」の木原。彼は失意の中、謎めいた女性、配川ゆかりから「私のために小説を書いて欲しい」と頼まれ事になった。奇しくも失踪している配川ゆかりの妹の唯一の手がかりが木原の勤めていた会社が手がけた片説だ…

心臓で語れ!『氷』/ウラジーミル・ソローキン

あらすじ 現代のモスクワで「兄弟団」と呼ばれる団体が存在した。彼らは拉致した人間の胸をハンマー殴打して仲間を探し回っていた。ハンマーの殴打で生き残った人々の心臓は<真の名前>を語り始め「兄弟団」受け入れられる… 冒頭からフルスロットル あらす…