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読書感想など

2015-01-01から1年間の記事一覧

2015年読んでみて面白かった本Best3/サイトアクセス数Best3

2015年3月から本ブログを始めました。以前から本は読んでいましたが、ブログ開設も相まって以前よりも本を読む機会が増えました。 どのようにすれば読まれるのか?を考えながら客観的に構成する面白さもあれば、思うがままに書くこともに面白さがあります。…

あなたは世界が終わるまでの七日間で何をする?『世界の終わりの七日間』/ベン H ウィンタース

終わっていく世界 10月3日水曜日、地球に小惑星2011GV通称”マイヤ”が衝突をする。それによって予想される未来は恐竜が歩んだ歴史と同じだ。それを知った人々はSNSでイイねやシェアをしていた。だがそれが現実のものになってくると、長年温めていた「やりた…

本屋のあり方ってなんだろう?『まちの本屋』/田口幹人

岩手県に書店を構えている、あわや書店フェザン店の店長である田口幹人さんが自分の半生を注いだ書店員としての経験と街の本屋あり方を語る。 hon.bunshun.jp 本屋のリアル 本が並べば売れる時代から売れない時代に変化してしまった。 20代の頃ならばまだい…

『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』/村上春樹

1997年〜2011年にかけての村上春樹自身や作品についてインタビューを行ったテキストをまとめた一冊。あまりメディアに出ないことで有名な村上春樹だが、さすがに14年間のまとめとなると500ページを超える。 インタビュアーは複数人に及び、国も性別も違いイ…

変貌する獣は何を思うか『犬の心臓』/ミハイル・ブルガーコフ

ミハイル・ブルガーコフの『犬の心臓』が新潮文庫から発売されました。(正確には「運命の卵」も収録)ホードカバー版とは翻訳者が変わってしまったのでもしかしたらニュアンスが違うかもしれませんが「笑い」と「恐ろしさ」が入り混じった作品でした。 ロ…

誰かのために席を空けている『国境の南、太陽の西』/村上春樹

”いちばんの問題は僕には何かが欠けているということなんだ。失われてしまっているんだよ。そしてその部分はいつも飢えて、乾いているんだ。その部分を埋める事は今日にはできないし、子供達にもできない。それをできるのはこの世界に君一人しかいないんだ。…

危険な本『村上春樹を読みつくす』/小山鉄朗

長年、村上春樹をインタビューしてきた著者が物語をを解体していく本書。 著者と村上春樹との個人的なやりとりや、当時のインタビューなど貴重なエピソードなどから 作品に含まれるメッセージやメタファー、元になったであろう古典作品や神話を挙げて、作品…

映画『椿三十郎』比較しながら見てみた

以前借りた『用心棒』がとても面白かったので続編にあたる『椿三十郎』を借りてきました。 対比に次ぐ、対比 若い浪士達が汚職を行っている事を直談判しようとするが、罠に引っかかってしまう。 そこに偶然居合わせた三十郎が見兼ねて協力をする。。というの…

映画『用心棒』総合映画としての時代劇

用心棒/主演:三船敏郎 監督:黒澤明名作と呼ばれる映画がどうも苦手意識があり、きっけかがない限り手を取らないのですが少し前から古い日本映画を立て続けに見た勢いで黒澤映画の『用心棒』に手を出しました。 ジャンル 時代劇のイメージといえば、適役が…

ラジオ録音始めました

Podcastをきっかけにラジオを聴くのが面白くなりまじめました。 主に深夜番組を聞いていたのですが、終わるのが深夜の3時になるとさすがに次の日(というか数時間後)の起床に影響が出てしまうため『ラジ録』というソフトの試用版を利用して録音をしてました…

12月/kindleセールにて購入

kindleで早川書房セールにて神林長平さんの戦闘妖精シリーズを3冊とも購入しました。 12月は今年読んだ中で良かった本を読み返そうと思っていたが、kindleの早川セールでついつい買ってしまった。— えむぜっとえすじー (@MzSg) 2015, 12月 1 『完璧な涙』は…

肉を掘り下げて世界を知る『世界屠畜紀行』/内澤 旬子

牛、羊、山羊、犬と世界中で食べられている肉はどのように作られているのか?「そりゃ殺してバラして加工しているだけだと」と言葉で言うだけなら簡単だ。だが現実は国によって文化や宗教、肉を食べることに対しての受け答え方も違う。また屠畜を職業として…

正真正銘のラブストーリー『1Q84』/村上春樹

まず読み終わってから思ったのはこれは正真正銘のラブストーリーということだ。男と女が長い長い遠回りをして出会うラブストーリーなのだ。 青豆と大吾。性別も性格、考えから、職業も違う両者を主人公としてストーリー展開されていく。同じ事象を別の視点で…

再構築される無数の自分『エピローグ』/円城塔

これを人に勧めるのはすごく勇気がいる。 自分の理解が追いつきそうで追い付かない。触れそうで触れられない。果たして登場人物やあらすじをどう書けばいいのかわからなくなるが、理解できる部分を書いていく。 宇宙を舞台に”連続殺人事件”が起きて刑事/探偵…

現実に向き合うために『ヘヴン』/川上未映子

いじめを受ける二人の中学生の男女。彼ら互いを仲間と呼び合い、手紙による交流を深めていく。 根源的な悪とはなんなのか? いじめを題材にした物語では『隣人51号』などいじめた相手に対して復讐を行う、カタルシスの崩壊を描く作品が多いイメージがある。…

最近はまっているアプリ「threes!」

最近iPhoneを買い換えたのをきっかけに色々とアプリを試してた中で「threes!」というゲームにハマってます。 簡単に説明すると3の倍数を組み合わせてどんどん数を増やしていくゲームです。はじめは5分の暇つぶしのはずが止めることができない。とてもシンプ…

羊の問いの答えはあるのか『彼女は一人であるくのか?』/森博嗣

講談社の新文庫「講談社タイガ」からの一冊。 森博嗣さんは現在もアニメで放送されている理系ミステリーのイメージが強かったが、本作のジャンルはSFとなっている。 http://taiga.kodansha.co.jp/author/h-mori.html#link9784062940030 ピュアな遺伝子を手に…

恋愛小説苦手のススメ『海の見える街』/畑野智美

「恋愛小説ってなんか苦手だ」漠然とずっと恋愛ものに苦手意識がありました。 ミステリーの中の恋愛やアクションの中の恋愛など、別のジャンル内に内包されている恋愛劇ならば読む事は出来るのですが、純粋な恋愛小説は読む機会はありませんでした。とくに、…

退屈と刺激が収束する総合小説『罪と罰』/ドフトエフスキー

自身の中の課題図書の一つ『罪と罰』を手をつをつけることにした。 まず読むにあたりどの出版社から出ている『罪と罰』にするか選考しました。現在出版している会社は以下のとおり ・岩波文庫 ・新潮文庫 ・光文社古典新訳文庫 人によっては翻訳者によって選…

何度も読み返したくなる本10選

ツイッターやブログで「#本棚の10冊で自分を表現する」が話題になり、幾つかブログを拝見して読みたいリストに追加した。それからすっかり時期がズレてしまったが「自分ならどの本だろう」と本棚や今まで読んできた本を振り返ってみた。 ただ「自分を表現す…

男たちの興亡史『電気は誰のものか』/田中聡

きっかけ 電灯をつけて、パソコンを立ち上げて、今まさにこの文章を書いている。どちらも電気がないと使うことができない。その電気は東京電力と契約をして毎月使った分だけ支払っている。それは生まれた頃から当たり前のことで何一つ疑問にも思わなかった。…

カラスが囁く物語『海辺のカフカ』/村上春樹

あらすじ 15歳の少年、田村カフカは父の部屋から金のライター・折り畳み式ナイフ・ポケットライト・サングラス・姉と自分の写っている写真を持ち出して家出をした。カラスと呼ばれる少年が話しかけてくる。「世界でいちばんタフな15歳になるんだ」その意味も…

途絶えた望み『絶深海のソラリス』/らきるち

あらすじ 世界中が水害によって沈んだ世界。新しい人間、人種の一種として<水使い>と呼ばれる特殊能力者が生まれる。<水使い>を育成するアカデミーの教官に着任した主人公は幼馴染や元同級生、個性的な生徒と出会い絆を深めていく。 深海×絶望 <水使い…

小説に関わる者に捧げる物語『1000の小説とバックベアード』/佐藤 友哉

あらすじ 4年間勤めた会社をクビになった「片説家」の木原。彼は失意の中、謎めいた女性、配川ゆかりから「私のために小説を書いて欲しい」と頼まれ事になった。奇しくも失踪している配川ゆかりの妹の唯一の手がかりが木原の勤めていた会社が手がけた片説だ…

心臓で語れ!『氷』/ウラジーミル・ソローキン

あらすじ 現代のモスクワで「兄弟団」と呼ばれる団体が存在した。彼らは拉致した人間の胸をハンマー殴打して仲間を探し回っていた。ハンマーの殴打で生き残った人々の心臓は<真の名前>を語り始め「兄弟団」受け入れられる… 冒頭からフルスロットル あらす…

引用されるけど話は知らない…『ライ麦畑でつかまえて』/J.D.サリンジャー

あらすじ 主人公のホールデンは有名高校の生徒で成績不振に陥っている16歳の少年。彼は先生・同級生・何もかもにうんざりしている。成績不良で退学になる直前の冬、自分から学校を出るところから物語は始まる。ニューヨークをさまよいながら昔の先生や友人や…

手軽に簡単に人格を書き換えよう『重力が衰えるとき』/ジョージ・アレック・エフィンジャー

あらすじ 主人公のマリードはブーダイーンを知り尽くした探偵。ある日ロシア人から人探しを頼まれるが、その場でジェームスボンドのモジュールをつけた人物に殺されてしまう。それを機にマリードの友人や関わった人間が次々に殺されて行く。殺されるパターン…

100%恋愛小説『ノルウェイの森』/村上春樹

ノルウェイの森 上 (講談社文庫) 作者: 村上春樹 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2004/09/15 メディア: ペーパーバック 購入: 31人 クリック: 899回 この商品を含むブログ (773件) を見る あらすじ 飛行機がハンブルク空港に着くとビートルズの「ノルウェ…

「少し不思議」な短編集。『たんぽぽ娘』/ロバート・F・ヤング

たんぽぽ娘 (河出文庫) 作者: ロバート・F・ヤング,伊藤典夫 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2015/01/07 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る ロバート・F・ヤング自体初めてだったのですが、題名にもなっている代表作『たんぽぽ娘』…

仮想現実空間の迷宮へ『明日と明日』/トマス・スウェターリッチ

明日と明日 (ハヤカワ文庫SF) 作者: トマススウェターリッチ 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2015/08/31 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る あらすじ テロによってピッツバーグが<終末>を迎えてから10年。仮想現実空間上の街<アーカイヴ…